∞いちしのはな∞
「トモ、ほら、飲め!
早く!大丈夫...大丈夫だからな!」

野次馬に声を荒げるトオルの声が震えていて、あたしは更にキツく瞼を閉じた。



こんな状況にも関わらず、人間らしくこみ上げる涙にフタをする様に。


ごめんね、トオル
此処、あたしがいつか来たいって言ったから、
ちょっとでも元気がでるだろうと思って連れて来てくれたんだよね?

なのにごめんね。

もう来れないね、ごめんね?
< 57 / 66 >

この作品をシェア

pagetop