Dolce
『お父さん帰ってきたらご飯にするからねー』
『「はーい」』
どきどきしながら自分の部屋へあがる。
カバンを置き、コートをかけ、テーブルに着く。
私の手には11ケタの数字が書かれた紙袋。
『後で電話もらえますか?』
…後っていつだろう?
…今日かけたらなんか変かな?
…でもすぐかけないと悪いよね?
…ってかお礼してもらうのにわざわざかけるのって図々しい気がする。
軽くパニック。
どれくらい悩んでいたのだろう。
リビングからお父さんの声がした。
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