オフサイド


由香里との待ち合わせ場所は、学問の神様で有名な神社の最寄りのバス停前。


境内へ向かう人たちがたくさん押し掛けて、なかなか由香里の姿が見つからない。 


手元の時計で時間を確認すると、約束より少し早かった。


「早く来すぎちゃった」


近くの歩道に自転車を停め、由香里が来るのを待ちながら道行く人を眺めていたときだった。


「菜摘ちゃん、あけましておめでとう!!」


不意に声を掛けられ、驚いて振り向くと、サッカー部の修(しゅう)くんと真吾(しんご)くんだった。 


「あっ…久しぶり!
あけましておめでとう!今年もよろしくね!」


「あけおめー!誰かと待ち合わせ?」


「うん。由香里とお詣りに行くところ」


「そっか!じゃあ、俺らと合流しようか?」


「合流?」


そうそう、と二人とも楽しそうに頷いた。 



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