光の射す方へ
理帆子は布団に潜りこんだ。



今日はもう寝よう。



電気を消すと、すぐに深い眠りにおちていった。




―――どのくらい経っただろう。



理帆子は物音を聞いて目を覚ました。



すぐに分かった。



父が帰ってきたのだ。



「おい、帰ってきたぞ!」



どうやら酔っているようだ。夜中だというのにかまわず大声で叫んでいる。



しかし、母は一度寝たらなかなか起きない人だ。



父を出迎える者は誰もいなかった。




< 5 / 34 >

この作品をシェア

pagetop