幻想美術館
僕は、おもわずその絵にかけ寄った。

身体に絡みついている花は、川に身を投げた彼女へのはなむけだろうか。

いや、彼女はまだ死んでいない。

少なくとも、僕にはそう思えた。

彼女は、水に身をまかせているだけ…

あの綺麗な唇からは、きっとかすかに息がもれているに違いない。

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