[短編]return life
ー繰り返される歴史ー
「月、また人間達が大きな戦いを始めるみたいだよ。」
太陽の顔は、500年近く見ている。美しく整っていて悲しい笑顔も見飽きた。
「あらそう。人間てのは飽きやすい動物なのね。」
時は2250年。
人間は4回目の大きな過ちを犯そうとしている。
しかも、約100年単位で。
「こんな、世界に生きる意味なんてないのに。」
呟いた言葉は幾度となく繰り返し言う度に疲労感がたまる。
「ねぇ、太陽。いつになったら私は死ねる?」
暗い部屋には電球が寂しく明かりを灯すだけだった。