ラブストーリーを一緒に
なんでわたしっていつもこうなんだろう…。


気持ちが先走りすぎて、行動に移してしまうというか。


大体、先生と初めて出会った時だって、勝手にお母さんの愛人と決めつけちゃってたし―――




自分の不甲斐なさでいっぱいで俯いていると、ふんわりと、微かな甘いタバコのにおいがして…






「ありがとな」






耳元で、低いコントラバスのような声で囁かれた。




「せ、先生…」




今は、この暗めの照明に感謝だ。




顔だけじゃない、絶対全身真っ赤に決まってる。




先生はすっと離れてそれ以上は何も言わず、ただ、少しだけ肩の荷がおりたように笑っていた。
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