ラブストーリーを一緒に
ビシッと指を突き付けられて、思わず寄り目になるわたし―――




「今日からあんたを香月遥のアシスタントに任命するわっ!」




「あ、あしすたんと…?」




わたしが…!?



あまりの出来事に放心状態で、ただただそこに立ち尽くす。



「この男は、まー酒は飲むわタバコは吸うわバイクかっとばすわ女と遊ぶわ、おまけに締め切りはほとんど守らないわ…全くとんでもない不良作家だけど…」



お母さんはそこでニッコリと微笑んだ。



「できるわよね?」



「……っ!!!」



挑戦的に言われて負けたくない気持ちと、



先生に対する罪悪感と、



何より憧れのハルカ様のアシスタントになれる!



というよこしまな気持ちから、わたしは勢いよく敬礼で答えていた。



「わたし深見佐和子、精一杯香月遥先生のアシスタントを努めさせていただきます!!!」



その返事に満足そうにお母さんが頷く。





「……もう何でもいいから静かに寝かせてくれ……」



その横で、先生がくたっと崩れ落ちていた。
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