超能力者が高校生!?
床に散った血を足りないティッシュで拭きながら、白鷺が質問してきた。
「ねえあんた、その能力にはいつ気づいたの?」
「えっと・・・、言いたくない」
「そう」
と言いながら、血を拭いていた。これはもう普通の部室の風景じゃないな。土田が俺の手首に包帯を巻こうとしたが、手首が元の手首に戻っているのを再度確認すると、白鷺を手伝った。
「おい藤沢、俺の能力を見せたんだ。次はお前の・・・」
「もう見せた」
「え?」
「もうあなたには私の能力を見せた」
いつのことだ?俺がはさみを持って手首を切るまで、藤沢は何をしたんだ?能力っぽいところなんて・・・。
「坂上、お前の誕生日について何か考えてみろ」
「え?どうして?」
「いや、最近誕生日の占いに凝っていてな」
「ああ、わかった」
土田が急にそんなことを聞いてきた。まあいいか。確か、6月の13日・・・。
「6月13日」
「え?」
「あなたの誕生日は6月13日。違う?」
「そ、そうだけど・・・。何でわかった?」
「もう、鈍感ねあんたはー」
ま、まさか・・・こいつの能力って、人の心を読むこと・・・か?
「そう」
また心を読んだか・・・。
「何か?」
うっ・・・。話にならない。俺は頭を抱えながら俺の血を拭いている二方に振り返った。二人はどうやらなれない血を拭く作業に苦戦していた。この2人は藤沢の能力に気付いてるんだろうか。
「一昨日教えた」
また心を読んだな・・・。一昨日って言うとこいつら、まだ面識少ないんだな・・・。それなのに、簡単に自分の能力を他人に話すって、すごい勇気がいるよな。何でそんな簡単に話せるんだろう・・・。
「・・・」
さっきのを聞いたか聞かなかったか、藤沢はノーコメントだった。どうした?
血を拭き終わったらしく、白鷺が立ち上がった。
「あんたねー、血を出すようなことをするんだったら最初に教えときなさいよ。凛もちゃんと教えてよね」
「あーすまん、悪かったな。なあ、藤沢も謝っとけよ」
すると、藤沢は急に立ち上がった。次の瞬間、俺はとんでもないものを目にした。
「いやー、ごめんなさいね~。私も教えたかったんやけど、なかなか言いにくかったのよね~。ほんっとごめんね!」
「まあ、わかったんならいいけどさ」
「あ・・・、ああ・・・」
・・・誰だこいつ?
< 10 / 36 >

この作品をシェア

pagetop