超能力者が高校生!?
インビジルマン改め田中さんに白鷺は、もう1つ質問をした。
「あなたの目的は?」
「はあ?」
「だから、どうしてあたしたちを誘うようなことをしたの?」
「何だ、そんなことか」
「そ、そんなことって!」
そういえばそうだ。どうしてこいつは、俺たちを誘い出すようなマネをしたんだろう・・・。
「お前たちは、知らないのか?」
「何よ?」
「今我々がどんな目に会っているか」
「そ、それは・・・」
白鷺が口を閉ざした。こいう質問だと、とことん弱いからな。
「お前たちも、知らないわけではないだろう?」
「そりゃあ・・・」
「いいか?超能力者と呼ばれる存在は、限りなく減っている。ここにいる我々も、いずれは狙われる。そうならないように身を隠しているようだが、それも時間の問題だ。お前たちが話していた、超能力者たちの隠れ家というのも、所詮はただの学校の一室。こんなところに隠れていても・・・」
「ちょっと待てよ!どうして俺たちがそのことを話しているのを知ってるんだよ?」
その時、田中さんがフッと笑った。
「まだ気付かないか?あの時、一緒にいたからだよ」
一緒にって・・・まさか!
「なるほど、だから急にパイプ椅子が倒れたのね。あたしが感じた気配も気のせいじゃなかった・・・」
「その通りだ。あの時はヒヤっとしたが、気付かずに見逃してくれるとは」
「だが、なぜここを?」
「ひと騒ぎ起こそうと思ったのさ。そうすれば人間は驚くだろう?その姿を見るだけで最高の気分だ」
「で、でも。どうしてそんなことを?」
「決まってるだろ?人間に復讐するんだよ」
「ふ、復讐?」
「ああ、もちろん俺の為でもあるが、それだけじゃない。」
「じゃあ、一体誰の・・・?」
「・・・俺たち・・・家族の為の・・・復讐だ」
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