最後の着信メロディ
悩み事が出来ると、大抵ここに座って空を見上げていました。

過去形なのは、もう座ることもないだろうと思っていたからです。

マキトがいなくなってしばらくの間、このベンチは私専用のようになっていました。

毎日毎日空と携帯を見比べ、来もしない報せを待ってため息をついていました。

そんなある日、私は携帯を頭上に掲げ、空と画面を見比べていました。

私はうっかり、手を滑らせ、携帯を落としました。




それも、後ろの噴水の中にホールインワンで。

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