ジェンガたちの誤算

出席番号順は友達作りに作用するのか


いまでも電車を待つホームに立つと、彼女のことを思い出す。


『私は電車を待つときはね、絶対に何かに寄りかかることにしてるの』

その言葉を聞いて、
私と彩紗(サヤサ)は二人とも、お弁当を食べる手が止まった。

「ごめん、ウチには意味がわからない」

彩紗が口に運ぼうとしたクレープのような卵焼きを、
お弁当箱に戻しながら言った。

「いつ誰に突き落とされるか分かんないでしょ」

そう言うと、茉莉恵はビニールから半分出させたクリームパンをかじってから、
500ミリリットルパックのカフェオレにストローは挿さずに、口のみしたのだった。

彼女、吉田茉莉恵は学年で一番大人びていて、
多感な中学時代を一緒にすごした私はいつも彼女の言動に驚いていた。
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