芋虫毛虫の話
しかし、そこは付き合いの深さ。

しょっちゅう見ているとさして変な形でもない。

そういう風体の生き物だと納得が出来る。

グラビアクイーンのナイスバディーと比べて、どちらが綺麗か聞かれたら返答に迷う虫だっているではないか。(反論のある方も多いとは思うが…)

アゲハの緑と黒い螺旋、黄色いライン。雀蛾のあのしっぽもなかなかキュートだ。

ここまで納得できない人は、一度よく見てみてほしい。

神様は結構アーティスティック精神をもっていることに気づくはずだ。

少なくとも、親に育ててもらうでもなく、卵から孵って自力で葉をムシャムシャやっている姿には、ちょっといとおしさを感じるものがある。

健気な感じがする。

確かに親は幼虫の好きな葉に卵を産み付ける。

産み付けられた幼虫はその葉を一生懸命食べ、脱皮を繰り返して、鳥にも寄生虫にも狙われずに済めば、蛹になり、成虫になれる。

勿論そうなるものは限られているのだが、だからこそ、目の前で葉をかじっている幼虫は憎めないし、余計健気に見えるのかもしれない。

今度、虫が何かやっていたら、気持ち悪いと思う前に、よ~く様子を見てみてほしい。

わが子が歩行器のテーブルでお菓子をこぼしながら食べていた口元と、ほんの一寸だけ共通するものを見つけられるかもしれない。

最も、花作りをしていると、あんまり派手に葉を食べられるのもこまりものではある。

その辺がジレンマっていうやつなんだよねぇ、虫の生態を知っちゃうとね。
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