壊れたこころ
次は体育の時間。僕はかなり憂鬱だった。水泳。そう、僕は水が苦手だった。三歳のときに海でおぼれ母親が死んだ。未だ鮮明に覚えてる。苦しくて頭が真っ白になって気づくと母親が死んでいた。自分を責めつづける。水に入ると恐怖心で足が動かない。体育の先生には、父親が話してくれたのかわからないけど水に入ることを強制されずにいた。でも健二たちは、それがむかついたのかもしれない。授業が始まる前に僕はいつものように一人で座っていた。「あーおまえ何でいつも座ってるわけ?生理か?きもいな。オカマの諒太を男にしてやる。!!」そう言うと健二と三人の男子が僕の手足をもち一斉にプールに投げつけた。バッシャーン!!
僕は必死に手足をばたつかせた。息が出来なくもがいた。「助けて。」バシャバシャともがくぼくを見て笑う。足が固まり動けなかった。そのうちに息がつまり頭が真っ白になった。
「何してる!!」「だれか先生を呼べ!!」ドッポーン!!「おい、おい」体育の先生がプールに飛び込み溺れて動けない僕を抱きかかえてくれた。「どうことだ?おまえらは何をしていたんだ?」そう言うと健二が言った。「諒太自分で泳ぎたいってプールに入りました。だから僕らは見てただけです。まさかこんな足のつくところで溺れるとは思いませんでした。」そう言うと他の三人もうなずいた。体育の先生が僕を保健室に連れていってくれた。僕が気がつくと先生はいなくてそこには健二がいた。「俺たちのこというなよ!おまえが自分で入ったことにしろ。ちくったらぶっ殺すからな。そう言うと出ていった。
僕は保健室のベットで小さな頃の恐怖がよみがえりからだが震えるのが止まらなかった。
そんな僕をみて体育の先生と保健の先生は静かに聞いてきた。「誰かに突き落とされたのか?」
僕はしばらく黙っていたが「自分から入りました。」そう嘘をついた。目に涙をためて。
「そうか。」それ以上先生は僕に何も聞かなかった。
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