掻き鳴らせ、焦燥。〜春風に舞う〜
運命はいつも突然に……


スタジオの残り時間が迫って、そそくさと片付けをするとカウンターに挨拶をして帰る。


なんてことはない、いつも通りの手順、そしてまた退屈な日々を繰り返すだけ。



だけど、この日は……






「ありがとうございました〜」


「ああ、君さぁー。いつも一人で来るけど、バンドとか組んでないの?」



カウンターでいつも煙草をふかして口髭をたくわえた、その見かけとは激しいギャップでニコニコと笑うおじさんに声を掛けられた。




< 14 / 54 >

この作品をシェア

pagetop