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スキャンダル
カシミヤ・トイズの「Soulmate-ソウルメイト-」が、ついにチャート1位を獲得した。

じわじわと売れ出し、発売されてから4ヶ月目の1位獲得に、あるスポーツ紙では一面「十年に一度の才能現る！遅れてきたダークホース『カシミヤ・トイズ』」と特集を組んだほどだ。

皮肉なことに、カシトイが売れれば売れるほどに、真梨子の過去について憶測が乱れ飛んだ。

「曲は誰か別の人が作っている」

「彼女にはゴーストライターがいる」

根も葉もない噂だった。

「死んだ彼が作った曲を、ちゃっかり自分の曲として売り出すしたたか者」

イサムの遺志を継いだ真梨子の気持ちを、まるで無視した酷いコメントだ。

もっと酷いものになると「真梨子と付き合う男は皆死んでしまう」など、誹謗中傷極まりないものまであった。


雑誌に真梨子のインタビュー記事があれば、欠かさずに目を通した。


当然のことながら、真梨子は過去について、一切の口を閉ざした。

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