あなたが一番欲しかった言葉
語らいの夜
バイトで明け暮れた長い夏休みが終わり、再び友達もいない退屈な大学生活が始まった。

たぶん僕は「燃え尽き症候群」なのだろう。

2年浪人をして、念願の第一志望であったT大に合格をした。
合格するためだけに走り続けていた僕は、そこがゴールだと信じて疑わなかった。

しかし本当は違っていたんだ。
合格はゴールなんかではなく、新たなスタートラインに立っただけのこと。

講義はまるで頭に入ってこなかったが、それでも毎日授業には顔を出した。

毎日毎日1時間半電車に揺られ、「大学に通っている」という事実だけで、何とか均整を保っていた。一度でもさぼってしまえば、もうそれきり大学へ行く気力を失いそうな恐怖感があった。

実際に、バイト先で仲間と会うことの方がはるかに楽しく、何より生きているということを実感していた。
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