猫と君
半年前
さかのぼること半年。
蝉の声が聞こえ始めた、夏。
その日は綺麗な青空だった。
いつものように学校行って
新しくできた友達と戯れて
「慧!!今日は陸部休みなんでしょ?
吹部も珍しく休みだからさ
いっしょに帰ろー!!」
「おぅ」
友達に冷やかされながら
帰路を二人並んで歩く。
「今日はお父さんの誕生日♪
ネクタイあげるんだぁ
慧もうちに来るんでしょ?」
「おぅ、7時過ぎごろにそっちに行く」
俺らの家族同士は
誰かの誕生日には必ずみんなで祝う。
今日は広田家で誕生日パーティー。
俺らの両親同士が
互いに幼馴染だから昔からこんな感じ。
イベントものはみんなでやっていた。
「うん!!準備して待ってるから!」
そう言って
葵は鼻歌を歌いながら
いつの間にか着いていた
自分の家に入っていった。
俺も向かいの家のドアをあけた。