走り出せ、コスモス<前編>

高校入学



ここで、私の青春が始まるんだ―――


ドクン… ドクン…

心臓が 期待と不安で 高鳴ってる。


今日は入学式。

テスト控えてるから一応単語帳とか持ってきたけど

緊張で それどころじゃない。



私は着くのが遅い方だったみたいで、

体育館の外壁に張り付けてある紙を、もうたくさんの人が囲んでた。


塾で友達になった子とか同じ中学の子とか

誰か知ってる子が一緒だといいな…


そう願ってたら、群がりから離れたところで

女の子がひとり、私に向かって話しかけてきた。


「沙枝ちゃん!! 同じクラスだったねっ!!」


真っ黒のショートヘアに

高めの身長

男っぽい立ち方で私に笑顔を向けるのは…


真緒ちゃん。



「えっホント?? 私まだ見てないんだけど!」




    1‐3

  39 森定真緒
  40 吉風沙枝



2人の名前が、仲良く並んでた。





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