初恋+one
ドキドキ。
あかりの家の前で、
大きく息を吸った。
まだ慣れないから、
首をかすめる風がくすぐったい。
あかりの反応を想像しながら、
ゆっくりとインターホンを押した。
中からはあかりのお母さんが出てきて、
「あらっ、乃亜ちゃん!!
すっきりしたわねぇ~」
なんて声をかけてくれた。
笑いながら返事をして、
階段を上り2階にあるあかりの部屋を目指す。
「入るよ」と小さく言って、
ドアを開けるとベッドに寝転んで携帯をいじってるあかり。
「どったの、乃亜ー?
学校終わって数時間であたしが恋しくなったー?」
「んなバカな」
「冗談だって。
何? なんか相談でも・・・・・・」
そう言いながら顔を上げたあかり。
でも言葉は途中中断。
目をパッチリ開けて、
あたしの凝視してる。
「えへへ。 切っちゃった」