初恋+one
「貴大、今日弁当?」
駆けられた声に振り返ると、
パンと紙パックを持った創平。
「まぁな。
今日はねぇちゃんが作ってくれた」
「珍しいな」
「どーせ彼氏のついでだろ。
つーか、コレ失敗作っぽいし」
「虚しいな、お前・・・・」
ちょっとこげたハンバーグを見つめながら、
苦笑いする創平。
ハンバーグはこげた味しかしない。
はっきり言って味は微妙。
まずいとも旨いとも言えない微妙さ。
この微妙を作る方が逆に難しいと思う。
「あれぇ?」
「ん? どした」
「あかりと柊いねぇ。
あー、あとのんちゃんもいねぇな」
「ふーん」
「ふーんって・・・・・・
貴大最近ちょっと変くね?」
クリームパンに噛り付きながら、
疑うような視線を俺に向ける。
「変くねぇ」
「変くねぇとか言う時点で変」
「じゃあ、なんだよ?」