音色
第六章 君の横顔



あの歌を初めて聞いたとき、俺は正直嫌いだと思った。


どこか頼りない曲調と、甘く涼しげな声とともに溢れ出る、火のような言葉。

強引にぶつけてくるようで、決して誰にも触れさせない。


自分勝手で、そのくせ弱々しい。




あれは、俺だった。



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