意味するもの。その先にあるもの。



   
「何してん?敵地へようこそ。」

不気味な笑みをこぼす。
   
「…。」  

怯えた表情の雄一。   


   
「やめてやれや。」

博貴の肩を掴む亮。
   
「手はだしませんよ。」

亮の手を振りほどき両手を挙げる。
   
「雄一。」

雄一を呼ぶ聖の声。
血相をかえ雄一の元へと駆け寄る。
   
「大丈夫か?」

雄一の前に立ちはだかる。
黙って頷く雄一。
敵意むき出しの目をむける聖。
   
「安心しいや。手は出してひんから。」

皮肉たっぷりに聖を睨み返す博貴。
   
「俺等お前等の挑発のる気ないねん。」

冷たく言い放つ亮。
   
「それより。ここにおったらマズイやろ。」

辺りを見渡す忠義。
   
「はよ。行けや。俺等の気分が変われへんうちに。」

手で早く行けと合図する亮。
後ずさる聖。
雄一の手を掴み走り出す。




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