意味するもの。その先にあるもの。
  



「何してんねん。」

ナイフを持った智久の手を掴む。
目をあける雄一。
   
「邪魔してんじゃねぇよ。」

裕の手を振りほどく。
振りほどかれた勢いで壁に頭をぶつける。
   

「俺の次は中丸か。」


苦痛の表情。
頭から流れる血。
   

「やっぱりあの時殺しとくべきだったか。」


ナイフの矛先が裕へとかわる。
   
「そうやったかもな。」

挑発的な態度をとる裕。
智久の表情が豹変する。
   
「中丸。自分で立てるやろ?はよ。逃げろや。」

固まったままの雄一。
   

「行けゆうてるやろ。」


怒鳴りつける裕。
   
「まずはお前からだ。」

裕に馬乗りになる智久。
智久の手を掴む。
握れたナイフがジワジワと裕へと近づく。




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