身長差15センチの関係 2
「うー、うー、うー」

高志はうめく。
だが弓倉は離さない。

「この馬鹿ものが、嫌いになどなれるか」

それは高志が聞いた中で一番激しい弓倉の声。

「先生、口、くちっ、にがっ」
「我慢しろ、君が悪い」

「先生、せめて目、見えない」
「君が突然来るから、顔も髪も用意できてない。見せない」

「ううーーっ」
「女の根城に奇襲したのだ。ただで帰れると思うな」

弓倉は厳しい。
そして、訊く。

「で、その告白され子にはいつ返事をするんだ?」

「あ……、実は告白の時に今日会って返事をする約束で、もう、待ち合わせの時間……」

「…………なに?」

さっと、高志から離れる弓倉。

「あの、先生?」

高志が振り向きようやく見られたその顔は、とっても怒った女のものだった。

「この大馬鹿ものーーーっ!!」
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