,こだわり
彼に訊けばすぐに分かることだが、訊かなくても予想が付いたのは私にしては快挙だ。

私は敢えてその女性について何も訊かずに、彼女が通り過ぎていくのを見送った。

「仕事しなくても生活できるからか?」

浩哉が私に訊いた。

そうか。生活できなければ仕事をして収入を得ようとするだろう。

私が仕事をしないのは、収入を得なくても生活できるからかもしれない。

「そうかもしれない」
< 142 / 222 >

この作品をシェア

pagetop