,こだわり
私という存在
リカコはフルーツサンドを一口かじって、上目遣いで私を見た。

耳たぶには小さなダイヤのピアス。

これは二年前のリカコの誕生日に私がプレゼントした物だ。

私は何か言おうと思ったが、言うべき言葉が全く思いつかないまま、リカコの唇を見つめていた。

ピンクのグロスは、リカコがフルーツサンドを口にしても落ちることはなかった。

ますます艶やかに輝くようだ。
< 160 / 222 >

この作品をシェア

pagetop