,こだわり

出会い -3-

電話から二日後の平日の午後、彼は私を横浜の『港の見える丘公園』に連れて行ってくれた。

車を駐車場に停めて、バラ園を見て歩いた。

人の姿はちらほらあったが、平日のせいかバラを眺める人達は、高齢な女性や中高年のカップルばかりで、耳障りな音を発する人はいない。

私はクリスエバートという見事なオレンジ色をしたバラが気になって、じっと見ていた。

「こういう所はどう?」

彼はバラを見つめる私の背後から声を掛けた。

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