流れ星
出会い

屋上





出会いは学校だった。

夕日が綺麗に見える屋上。





「なんで泣いてんの?」



屋上で泣いてるあたしに話しかけてきたのは、ガラが悪く、背の高い黒髪のかっこいい男子だった。



「べ、別に泣いてませんっ!」



初めて会った人に、泣いてる理由を簡単に話す人はいない。

あたしは泣いてないと強がった。



「話したくないならいいけど。

夕日………綺麗だろ。」



そう言い、男子が指さすさきには綺麗に輝く夕日があった。

………綺麗…。


実際、青春ドラマにありそうなオレンジ色をした夕日。
それがあたしの心に小さく溶け込んで、胸をときめかせた。



「………名前は?」



男子は夕日を見ながら話し出す。



「高橋朝陽(タカハシアサヒ)です。

ちなみに1年。
そっちは?」



「小此木夕陽(オコノギユウヒ)

2年。敬語。」



夕陽…………



「なんか……凄い。」



夕陽に朝陽………
偶然にもほどがあるでしょ。



「朝陽と夕陽が一緒にいるなっ!」



そう言い、笑う夕陽の顔は夕日に照らされて輝いて見えた。







< 1 / 39 >

この作品をシェア

pagetop