愛して。


「.....んッ...」
抱き寄せられて拓真くんの舌が私を捕まえる。 

「.......んぁっ////」 

苦しい......っ 

息、できない......
こんなキス、初めてされる。 

唇が離れた。 

「これがほんとのキス。」
拓真くんの胸に倒れこむことしかできない私///


その時、かすかに女の人の香水の匂いがした。 

駅まで送ってた人って加奈さん? 

今日、加奈さんと一緒にいたの? 

やばい......っ。 
涙が溢れそう......

私は勢いよく拓真くんから離れた。 


「送ってくれてありがとう。おやすみなさいッ。」 


「え....。麗花っ。 待てって。」 

車から出ようとしたのに、腕を引っ張られてまた抱きしめられた。 

「......ック。放してっ........。」
「なんで泣いてんの?
嫌だった?」 

私は首を振った。 

嫌なわけないよ。 

拓真くんが好き。 

好きだから苦しいの。 

好きだから涙が出るの。 
加奈さんにもこんな風にキスするの? 

抱きしめて、“加奈”って甘い声で呼ぶの? 







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