好きだった
私は何も言えなかった。

康太は私に少しずつ近づいてきて、私を抱きしめようとした。

私は康太の腕から逃げた。何故か嫌だった。
私は近くにあったベンチへ座った。

康太は立ち尽くしていた。

琴音「…話しするんでしょ?」

康太『…いいよ。』

琴音「は?何がいいの?」

康太『こと怒ってるでしょ?』

琴音「当たり前じゃん!私が怒ってるから話ししないの?じゃあ別れる?」

康太『それはやだ。』

琴音「話ししなければ許せるかだってわかんないよ。こうがわかんないよ。」

私の目からは涙が溢れていた。
康太が私の隣に腰を下ろして、私を抱きしめた。

康太『…ごめん。もぅしないから。本当にごめん。』

琴音「…もぅ知らない。」

康太『ごめん。俺には琴しかいないから。』

琴音「嘘つき。じゃあなんで元カノに電話したの?」

康太『彼女が出来たって言いたかったんだ。だから電話した。でも出てくれなかった。』

琴音「…」

康太『許してくれる?』

琴音「…もぅしない?」
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