40×20
第一章 眼鏡と蒼い瞳

望まざる始まり


まだ慣れない制服で賑わう通学路、まるで新しい仲間を出迎えるように咲き誇る桜並木。


―そして、吹き抜ける青い空。


4月7日、晴れてこの私立黎明高校に入学することになった高山翔伍は、これから始まる高校生活に期待に胸を膨らまし、清々しい気分で校内を歩いていた―


―というのが理想なのだが、第一志望を見事に落ち、第二志望の学校に行くことになった身としてはそんな気分にはなれず、むしろブルーな気持ちだった。


今かけている眼鏡も受験が終わった翌日に親と一緒に
「これから新しい学校に行くんだから」
と気合いを入れるために買った物だが、今になっては虚しさとみじめさが際立つだけだった。
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