もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

「じゃあ、乾杯!」

叔父の掛け声と共に宴がスタートした。

とにかくここに来たら、飲まされる飲まされる。左手からグラスを離す暇が無い程に次々と注ぎ込まれる泡付きの琥珀の液体。まあ、ビールなんだけど。
しぃちゃんには前もって言っていた。

(´・ω・`)
「女とか関係なく凄い飲まされるますからね。程々にしといて下さいよ」

(*^^)
「そんなのわかってるよー。初めて行く家でそんなに飲む訳ないじゃん」

そう言いました。確かに言いました。
でも今隣にいるのは既に出来上がりつつある人でした。

(*^^)
「おばさまー。これはどうやって作るんですか?お姉さん、レシピ教えて下さーい」

「ふん。可愛いわね。憎らしい位に可愛いらしい」

そう言って再度みんなを笑わせたのは従兄弟のお嫁さんだった。

(#゚Д゚)
「で?いつ?結婚式」

従兄弟の言葉に反応したのはしぃちゃんだった。

(*^^)
「それがですねぇ、まだ婚約して貰ってないんですよ。この人に。ある約束のせいで」

みんなの箸が止まる。

(;´・ω・`)
「あうあう・・・」

(#゚Д゚)
「どう言う約束なんかな?ごるぁ」

従兄弟も既に出来上がっている。

(;´・ω・`)
「あうあう・・・」

「なしか?」
父親も叔父も叔母もこっちを見ている。

(;´・ω・`)
(言えない。トリニータがJ1昇格したら。なんて絶対言えない・・)

田舎の夜はまだまだ長い。






僕が「いや、それはしぃちゃんが言った事なんです」と言えない理由はお気づきだろうか?

一旦それを口に出してしまえばあんな事やこんな事まで言わなければならなくなってしまうからだ。

僕はしぃちゃんの言うがままにならなければしょうがなくなっていた。

(´・ω・`)
(何て怖い人なんだろう・・)

すると事もあろうかしぃちゃんは遂にあの言葉を言ってしまった。

(*^^)
「あのれすね、この人、トリニータがJ1行ったらプロポーズしてくれるって言ってました。あたしもトリニータ好きだから良いかな?って思った訳なんれす」

(´・ω・`)
(ヤバイ、呂律が回ってない・・)

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