いじめ
彩ちゃんの行動
次の朝、私はすっきりしない
気分で起きる。


お母さんに肩を揺すられて起きる
いつもとは違って
不安の靄に包まれて
息苦しくて起きたって感じ。


「彩ちゃん…。」


頭に浮かぶ文字は
〝彩ちゃん〟。


今日、朝一番に喋りかけよう。


「おはよう。」


ベッドから下り、スリッパを履いた。
そしてぬいぐるみ、たっくんに
話しかけた。


たっくん。
昔お父さんがオーストラリアに行った
ついでに買ってきてくれた
コアラのぬいぐるみ。


コアラなのになんでたっくん?


自分でもいまだに分らないけど
小さい頃の思考ってそんなもんだよね。


片手にオーストラリアの旗、
もう片手に日本の日の丸の旗を持っている。


これ、レアものかなぁ?


「彩ちゃん…許してくれるよね?
 あんな不愉快な話、したら誰だって
 ショックだよね。
 彩ちゃん…ごめんね…。」


毎朝のようにたっくんに話しかけて、
まだまだ学校に行くまでに時間があることに
気が付いた。


だって今は6時だよ。


だから、私は通学カバンを
なるべく静かに
持ち上げ、ベッドの上で
時間割を確認した。


「えっと…
 1時間目、数学…
 うわ…絶対当てられる…!」


ゆっくり時間割を
確認したつもりだったけど、
30分くらいしか潰していなかった。
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