腐敗恋愛

決意の先に





あたしは一度申し込んだ工業系の学校を、受験辞退することにした。お金はもう振り込んじゃったけど、おかーさんもおとーさんも「わかってくれたか」ってかんじだったし。
実際のところ2人とも、ほっとしてたみたい。担任に渡された用紙を机に置いて、あたしはおとーさんにハンコを押してもらうように頼んだ。
「あきな」
低い声で、目線を上げずに言うおとーさん。
「………なに?」
「いいのか」
不器用な人だし、照れくさいんだろうなぁ。心配してくれてるんだ。
そう思うとなんだか嬉しくなる。
「うん、いい」


そうかって答えてから、おとーさんは用紙を差し出した。あたしもありがとう、って言って、部屋にゆっくりと戻る。


































無造作にPSPが転がるベッドの上で、あたしは学校のカバンを手にする。





「……ん…」

















また、なぜか涙が出た。
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