腐敗恋愛

「では、出来た文を英訳してみましょーう」
なんだかいつも小奇麗にしてる英語の先生は、そう言ってみんなを見回した。プリントに目を落とすと、あたしの字で書かれた文章。


挨拶から入って、
名前
学年
濃度の高い趣味
「(ワーヲ、これ訳すの…?)」
出来るだけ跡が残らないように、消しゴムで消す。ゲームとか漫画とか、わざわざ世界語で書いて提出するバカはどこにもいないだろう。


ちょんちょん、と背中を叩かれる感覚。振り向いたあたしの視線の先で一人の女生徒がプリントを差し出していた。大きな目に細い四肢、長いポニーテールをなびかせる美少女・河地アヤ。親友であり、彼女もまた、腐女子。








コレ訳すの?ちょwwww









プリントの端に書かれた文字に思わず吹きだす。アヤが書いた英文には、整った字で「私は腐女子です」と記されていた。








《ネ申よ、自重しろ》








とりあえず、そーやって書いて返却しておく。
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