突然の出逢い
ん?

だけ?

「いなかっただけってことは、
今は、気になる人いるの?」

「気になるって言うか…
毎朝見かけてみてはいいなぁって思える人が
できたの。」

あれれ?
どっかで聞いたフレーズだこと…
深く追求すべき?

「ふーん。」

「でもね、その人いつも女の人と
一緒にくるから…」

おや?
ますます、追及したくなるような言い回しだな…

「まさかさぁ…
誠のこと言ってんの?」

その言葉で、沙奈の顔が真赤になった

真赤になる=気持の否定はない

ってことだよね?
どう思う?

「沙奈は、誠が好きなのかぁ!」

「ほぇぇ…
で! でも、佐々木さんはお姉ちゃんと仲がいいから
お姉ちゃんの彼氏かと思ったんだもん!」

何を勘違いしているやら…

「あのね? 誠は同期の男性だけど、色恋関係はないよ?
むしろ、誠は入社当時に色々あったから幸せになって欲しいんだよね。」

「色々?」

「うん。つらい思いしてるんだよ。アイツも。
でも、それ以上はいくら沙奈のお願でも私からは
教えられない。 誠に聞いてみなよ。
なんなら、今から呼んでもいいし。」

「えっ! 今から!?
それは無理!」

誠を呼ぶのに、そんなに否定してたって知ったら
きっと凹むんだろうな(笑)

「はいはい。見せついたから、入ろうよ。
私、お腹すいてるし。」

「あ、うん。」

沙奈と一緒に店に入ると、そこそこお客さんもいて
忙しそうだった。

「いらっしゃ… 沙希!それに沙奈ちゃん!」

「おい。あたしは呼び捨てで、沙奈にはチャンづけかよ。」

「大ちゃん、久し振り~~!」

「良いじゃねえかよ。沙希は沙希なんだからよ。
沙奈ちゃん、久し振りだね。見ないうちに
また、綺麗になっちゃって」

「店先で、人の妹を口説くな。大輔、彼女が不安そうに
見てるから、さっさとあたしらを紹介した方が良いよ。」

「あ… 深雪。おいで。俺の幼馴染の
遠藤 沙希 と妹の 沙奈ちゃん」
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