あかねいろ

こころ

―――――


『夕陽ちゃーん!!』

『お久しぶりです咲さん。文化祭…』


あの時は…

ありがとうございます…


咲は言葉が続かなかった夕陽の顔を見てにっこり微笑んだ。

夕陽の気持ちをわかっているかのように…


『夕陽ちゃん、今更だけど、携帯教えて??』

席に座ると早速、咲が言う。

『あっは、はい!!』


また噛んでるっ


夕陽は“しまった!!”と大斗を見ると瞳が合ってしまい、やっぱりいつもの顔で笑われてしまった。

恥ずかしさを隠しながら、それを無言で睨み付けた。

大斗は笑いながらカクテルを差し出す。


白色ベースの液体の中に、赤と緑のさくらんぼが入ってキラキラしている。


『『『ホワイトクリスマス?!!』』』

大斗と咲と夕陽の声が揃った。


『何でわかるんだよ?お前等…気持ちわりぃな…』

『バカの考える事くらいわかるわよねぇ??』

咲さんがいつもの調子で返す。

『単純…』

と夕陽はクスクス笑っている。


何となく…

いつも"気まずいな"って思うことあっても2人に会ったら、そう思っていたのが吹き飛ぶ。

やっぱり…

来てよかった。


『さっき、お前に電話しようって言ってたんだ』

と大斗。

『そしたら、かかってくるんだもん♪テレパシー?』

咲が続ける。

『俺に用事だったんじゃねぇの?何々?告白?今更だけど、電話してくんの初めてじゃね?』

にやにや大斗が言うのに

『地獄に落ちたらいい…』

と冷ややかに返す。

咲は隣で爆笑。


『あぁ…南深達と遊んでたら、話の流れ上、大斗がムカついてきて文句でも言おうかなって…』

わざと少し遠くを見て言った。

『お前が地獄に落ちろ!!』

更に咲は「夕陽ちゃん最高!!」と大爆笑!!

『うるさい男はいやいやっ!!』

夕陽は両耳に手を当てて言ってから「ホワイトクリスマスのもー♪」とグラスに口をつける。

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