あかねいろ


凄く…気持ちが暖かくなるのは、きっと、咲さんの…


『咲さんの笑顔って不思議…何もかも忘れてしまいそうになる…ね』

『あー?!何だソレ?!』


『ねぇ…?大斗。大斗と、咲さんって友達…?やっぱり…それとも…恋人?』


『また…唐突に何を言うんだ?』

大斗は、きょとんと夕陽を見る。

『もどかしいから…なんだかとても…』


咲さんが…そして…大斗が…


夕陽は切ない顔で大斗を見つめた。

大斗も夕陽を見つめて言った。


『友達と恋人って…恋なんて嘘くさい…』


そして煙草に火を点ける。

『だから、何でもない。特別だけど、家族でも姉弟でもない』

大斗は、はっきりとそう言った。


『そういうのを、「好き」って言うんでしょ?』


『違う。それは違う。お前がこないだ言ったのがそうならば…』


「ねぇ…?誰かを…好きになるってさ…」

あたしが熱の日に…言った事…?


『わかんねぇけど…違う。』


なにそれ…

なんか…ッ

あーっ、もうッ!!


バンッ!!


『なんかっ!!2人を見てるあたしが辛い!!』

夕陽は勢いよく立ち上がるとスイートブルーから飛び出した。


『おい!!夕陽!!』


バタバタバター…ッ


大斗はすぐに後を追って夕陽の腕を掴む。

Barの入り口の前。


『何でお前が泣くんだよっ!?』

『わかんないよ!!でもなんか、物凄く胸が苦しいッ!!』


うわぁぁぁん!!


大斗に腕を捕まれたまま号泣。


『ひ…大斗は何にも考えなさすぎるよ…「思ったままする」じゃない…大斗のやることの全て…心の中では、想いがあるはずなのに、それをわざと考えないようにしてる!!』


あたしは…いきなり何を言っているの?

でも止まらない。


『落ち着け!!』

『落ち着いてるもん!!』


こんな泣きながらで説得力なんてないけど…


『バカ大斗…ッ』



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