あかねいろ

『無駄にマセて、シケたガキだったからさ♪チビなのに。』

しかし大斗は平然としている。


そのセリフを言いながら、真っ白に煙草を焼き付け黒い瞳を入れると、小さな雪だるまは完成された。


『メリークリスマス♪』


大斗はそれを夕陽に差し出す。

『X masにはまだ3日早いけど?』

『バカ。雪が溶けたら終わりだろ?』

さも当たり前と言い返す。


『今、恭次のも作るから待ってろ!!』

と恭次に叫んで雪がある方へ行ってしまった。


夕陽は恭次の元に戻ってきて、隣に座ると

『恭次くん?!大斗ってあんなキャラでしたっけ?』

苦笑いで問いかけた。


『イヤ…違う。ってか大斗は日に日に元気に幼児化してるよ』

恭次も苦笑いで返した。


大斗…小さな頃…

よっぽど遊んだりしなかったのかなぁ…


『大斗って中学の頃は今とかなり違う少年だったの?』

ふと質問する。


いつか少し聞いたけど…

きっと今、また聞いたなら

あの時とは違う想いを持つんだろうな…


『大斗?…いやぁ…それはもう酷いもんよっ聞きたい?』

そう言って恭次はワザとっぽく大袈裟に落胆した。


『知りたいような…知りたくないような…。うーん、あ!てゆうかっ?!!』

『何?何ぃ?』


『1つだけ…。恭次くんと大斗はどうして仲良くなったの?』


恭次くんは大斗が心を開く数少ない相手だから…。


『『エロ本!!』』


恭次の返事と新たに雪だるまを作って来た大斗の言葉が重なった。


『えええろっ…?!!』


『そうそう!!あるところに"近寄るな"って人を寄せ付けないオーラを出してる、暗い中学生が居りました。名前は神崎大斗くん…』

恭次は思い出し笑いと一緒に話し出した。

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