あかねいろ




何が…?







『別に…』


『その間は何だよぉー♪』

『うるせぇな!!なめんな!!』


目の前の恭次のバカはツボに填まったらしくメチャメチャ笑っていやがるっ


『ねぇねぇ?何があるのさ?』


と笑いを堪えて聞いてくる。






何か?





何って…


何だ?




つーか…








『別に…』


『やっぱりっ何かあるんだぁぁあ!!間がなげー!!』


ワザとらしい叫びをあげるバカ恭次…


ぶっとばすっ!!


『うるせぇな!!ほっとけ!!アホ。別に何でもいいんだよ!!アイツは扱いやすいだけだ!!恋ってだから何だよ?俺に似合わない単語じゃねぇか!!あぁ?そんなもん刺身にして食ってやる!!』


『だから恋は恋ですよ♪』


だから…って…





『誰が…』

『大斗が♪』




『俺が?誰に…?』

『ひぃちゃんに♪』





『夕陽に…何だって…?』

『恋した♪』




こい…




鯉…




恋…?



恋ッッっ!!



『何だソレ!!死ね恭次!!』



とりあえず、近くにあったオレンジを投げつけた。


何をふざけたこと言ってんだ…?!



なんかっ…ムカツク…!!



『ふざけんな!!帰るっ!!』


大斗はそう怒鳴るとカウンターを出ようとする。

『おぃ!!大斗っまだ仕事中だろ?』

恭次がドアに向かう大斗に言った。


『知るか!!帰るもんは帰る!!早退!!』


バタンッ!!


ドアを荒々しく閉めて大斗は出ていってしまった。




すると…





「うっわぁぁぁあっ!!」


ドアの向こうから大斗の叫び声が聞こえた。


『あーぁ…やりすぎたかなぁー?』

やれやれ…と恭次は呟いた。

< 272 / 469 >

この作品をシェア

pagetop