あかねいろ

―――――――


夕陽の家の前。

『ありがとう、いつも送ってくれて』

『別にいーよ』


『ねぇーぇ?』

『あぁ?』



『3つ…何?』


夕陽は俺に遠慮がちに小さく聞いてきた。

きっと…じじぃが余計なことを言ったんだろう。

俺がお前にしている秘密…って何?って事だろ?


悪いけど、多々ある。



1つ目は、寝込みのキス。

お前に触れたい。

簡単には教えらんねぇよ。

つーか言えねぇ。



そう思って空を仰ぐ。

もうそれは夏の風。



『お前に約束したから』


『え?』


きょとん。としている夕陽。


その顔…


『もう女と遊ばないって、お前に言った』


そう思ったら、周りの女はどうでも良くなっちまったんだ。

じじぃが言ったみたいに俺らしくねぇよ…



『それ今更、秘密じゃないじゃない…』


そう言って少し膨れる。



俺…お前のコロコロ変わる表情…

見るの、楽しい

可愛くってしょうがない

お前と居るのが心地良い



だから

お前の傍にいたい

これが2つ目



俺が俺じゃないみたいだ。

イカれた。


『だから秘密は秘密』


彼女の頭をポンッとしてそう言ってさっさとスイートブルーに帰ってきた。

遠くなるアイツが後ろで何か叫んでいたけれど、わざとスルーだスルー。

こんな事でも楽しいから。
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