暁、君が泣く刻
冷たい男

やさしくはなかった。


思春期の俺はというと、クールというよりも
もう少し、着飾っていた。

−−卒業までは3ヶ月。


俺達は付き合う事にした。


後に都会に出るのを決めていた事は、その時は特に気にならなかった。

恋愛というものが、そんなに長く続くものとは考えていなかったからだ。

なんせ経験も知識もなければ、器量も強調性もない。
誰かを強く想う事さえも
本当の意味では
ただただ 不確かすぎた。
そんな当時の俺が描いた未来図なんて、ガキなりの理屈と呼ぶにも程遠いただの、

そう、ただの

『その瞬間の感覚』
にすぎなかった。


彼女からしたらとても失礼な男だろう。
感情に乏しいと表現されても
あながち間違いではない。

もっと言ってしまえば
冷めた男。


今思えば、ここからいろんな感情を学んでいったのだろう。
もちろんこの時は気付くどころか、そんな事考えもしなかった。

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