あなたしか居ないっ

ライバル出現



季吏にしがみついていた
女の子が口を開いた。


「季吏、だれ?」


「俺の彼女。」

「えっ?かの……じょ?季吏彼女出来たの…?」

「そう。だからもう俺に構うな。」


「………そうだったんだ。」

女の子は下を向くと
綺麗な目に大粒の涙を零した。


季吏は大きなため息をついた。



「…そんなことも知らないで…ごめんね?……ごめんね。季吏…」



さっきの不敵な笑みが嘘のような素直さ。

男もイチコロな可愛らしい容姿。

いわゆるかわいい系ってやつだ。


大きな瞳に、綺麗に巻かれた栗色の髪…
ピンクの浴衣が良く似合う。


あたしなんかよりも
全然季吏とお似合いだと思った。

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