魔王さま100分の1
「気にしてもらって恐縮ですが……」
「気になどしていない」

「乳は毎日でますから、毎日誰かの手で換金してもらったほうが僕にも有益です」

「おい、勝手に話すな」

「開墾作業というのは、それ自体は金を産みませんので。即金になるものは貴重なんですよ」

「話すなと」

「ここに来るまでにね。皆で乳搾りの練習したんですよ」

「……」

「で、これが今朝の乳です。……が、勝手に飲み始めないでください」

「うるさい。どうせこれで私の機嫌をとろうとしたんだろ」

魔王さまは、美味いものを出せば何でもごまかせると思うなよという目をする。

が、

「これは美味いな」

美味しいことには素直だ。
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