【短編】極道彼氏!~あたしの虜~
「ごほん…」



美紀さんの居たフライドーナツコーナーを前にし俺は、手に取る。俺が、フライドーナツと言うのを見てると、不意に聞こえた咳払い。



「ききき桐生!?なんでお前がここに居るんだよ!?」



「まぁ、たつやの監視を組長に頼まれたからだが?」



ゲッ…オヤジの奴。


「若!!俺にも言って下さいよ!!俺ゲバラ!探しちゃいました!!」



桐生の横から現れた組員の黒嶺零(クロミネレイ)ゲバラとか言う口癖を言う変わった奴。



「俺は、美紀さんをだな!」



「ストーカーでしょ?俺も張り切りまっす!」



バカだな?黒嶺は…


そう思いながらふと手に持っている、籠にフライドーナツをたらふく入れる。



バシ…



「おい!まさかたつや!」



「なんだよ!桐生!」


「買う気じゃないだろうな?」



桐生の頭のトレードマークのサングラスが意味なく光る。
< 38 / 47 >

この作品をシェア

pagetop