天使の林檎
★第二章
 部活が男女別になって、ルールが決まってから次々と部員が減っていった。
 殆どが何も言わずに来なくなっただけなんだけどね。

 本入部にはなっていないから、辞めますの一言でいいのに、殆どが無責任な子ばかりだった。

 ちゃんとした本入部の届を出す時、あんなにいた入部希望者は殆どいない。

 3人しかいなかった男子部員は全員本入部届を提出し、女子の方は意外なことに5人も残った。
 最初から入部する気だった女の子2人と、活動しているうちに彫刻が面白いと本気になった子と、絵に興味が出たと言う2人の合計5人だ。
 
 25人いた入部希望者は、結局、8人だけが入部したことになる。

 部員が24人になったが、もうすばらく様子を見るということになり、今でも男女別に別れて活動している。
 ただ、部内ルールは随分と緩くなった。

 アドバイスを求める以外の男女の行き来は禁止だったが、いつの間にかそれも許されるようになり、以前のように男女で気軽に話せるようになった。
 もともと一時的なものだということは判っていたので、今さら誰もそれを持ち出すことはない。

 騒ぎも収まり、落ち着いて活動出来るようになって、諏訪君も少しづつみんなと打ち解けている。

 すべてがいい方向に進んでいた。

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