†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
「ファレルさん、とりあえず目を濯ぎましょう。その後で治癒魔法を施します。さあ…此方へ!」

アルが手際良く肩の荷からブランケットを取り出し地面に広げると、ファレルを誘い治療を始めた。


「へっ、功を焦って勝手な行動をとるからだ。自業自得ったぁこういう事を言うんだぜ。」


ガシャッ


治療の様子を見ながら、苦々しく呟く俺の肩をブレイドの震える手が掴んだ。

「ジーク!」

「何だ、ブレイド…ん?お前又震えてるじゃねぇか。」

「ジーク、軽口はいいからあれを見てくれ!石が…。」

ブレイドの尋常ではない口調に、俺は目を剥き彼を振り返った。
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