らぶ米でぃ!


「花火大会、俊太ちゃんと行くの?

あらあら~。最近よく店に来ると思ったら舞ちゃん狙いだったのね。」


保育所時代から知ってるからうちの母親は、俊太のことを未だに『俊太ちゃん』と呼んでる。



「違うから!」

違わないんだけど・・・


ってか俊太がよく来るなんて話ししてなかったじゃん!



『いつものやつ』とかおにぎり頼まれた時に俊太ってよく来るんだって思ったぐらい。


分かってたら・・・

分かってたら?



「舞ちゃんにも夏だけど春が来たのね~。」


嬉しそうにそう言いながら私の浴衣の帯びを締めて


「はい!出来上がり!

と~っても可愛いわよ舞ちゃんったら」


私のことを勝手にクルクル回す母。


「ちょ・・目が回るってば!」


母は、前後左右を入念にチェックし


「大丈夫!どっからでもOK!」


とっても満足げ。



母が満足なのはいいんだけど・・・



どうして『俊太と行く』なんて正直に言っちゃったんだろう・・・私ってば。




俊太と行くと知った途端に『浴衣ね』とか言って無理やり着せられちゃったけど・・・



わざわざ浴衣で行ったらどー考えても


気合い入ってる感じ?


俊太のため・・・みたいじゃない?


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