【短】ぼ−いふれんど



高橋の携帯に付いている可愛らしいストラップ。絶対に高橋の趣味じゃ有り得ないあの子好みのストラップ。


「…彼女、できたの?」


そう言った自分の声がすごく、弱々しく聞こえた。


「え、あーこれか。うん、付き合うことになった。知ってるだろ?由美」
「…由美」


口の中で小さく呟いた名前は確かに知っていた。そして、夏休みから高橋が頻繁に遊んでいたことも、知っていた。


「でも、高橋言ったじゃん!夏に由美と付き合ってるのって聞いたら、ただの友達だよって…高橋、言ったじゃん」


言いたかった言葉たちは胸の中で行き場もなく弾けただけだった。


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